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平凡な地方都市・疎瀬(まばせ)に住む小学生、ナンダバ・ナオ太は、兄の元恋人である女子高生、サメジマ・マミ美から誘惑的なちょっかいを受けながらも、その日常に退屈さを感じていた。その二人の前にベスパに乗った謎の女、ハルハラ・ハル子が現れ、初対面のナオ太を突然エレキベース(リッケンバッカー)で殴り飛ばし去っていく。それから間もなく、ナオ太の額からは奇妙な角らしきものが生えるようになってしまった。その後「ベスパ女」ハル子は家政婦としてナンダバ家に転がり込み、ナオ太の額から出現した謎のロボットのカンチと共に居候する事になる。
「新世紀エヴァンゲリオン」でおなじみGAINAXの初のオリジナル作品として鮮烈に登場したOVA(オリジナルビデオアニメ)が、この「フリクリ」である。監督はエヴァで副監督を務めた鶴巻和哉、キャラクターデザインはこれまた「エヴァ」や「時をかける少女」でおなじみ貞本義行である。
上のあらすじをざっと読んでもわかると思うが、この作品はズバリ、
意味がわからない。いや、冗談ぬきで本当に意味がわからない。いったい何が言いたいのか、何がやりたいのか、テーマはなんなのか、理解することが非常に難しい。
話に脈絡というものがない。説明も少なく、一般的な作品における「ベター」や「当たり前」が全く存在しない。話はつかみづらく、演出は奇抜であまりにもぶっとんでいるものばかり。テンポもめちゃくちゃで、万人に薦めることなど間違っても出来ない類の作品である。
では、なぜこの評価なのか、疑問に思われるかもしれない。そこまで偏屈でマニアックな作品ながら、ストーリーさえわからないような作品でありながら、私は100点をつけた。というか、これを見たとき、
100点以外にありえないと確信した。それほどまでに、この作品の持つエネルギーと、センスに胸を撃たれた。
わかりやすく言うならば、「ロック」な作品である。理屈や理論を越えた、言語では言い表せない世界。複雑なようで単純、深いようで浅く、ゆるいようで激しい。そう、意味がわからない。けど、魅力的なのだ。
「The pillows」が全面的に担当した、最高にクールな楽曲がこれ以上ないほど効果的に用いられることで構築される、雰囲気と世界観。
Production I.Gとガイナックスという、強力すぎるタッグだからこそできる超ハイクオリティな作画。監督のセンスが光る、見たこともないような斬新で実験的な演出の数々。
人によっては始まって数分で「はぁ?意味わかんね」と見るのをやめてしまうだろう。むしろそういった反応をする人の方が絶対的に多いはずだ。しかし、そうならなかった人は、そのままとりつかれたように作品に没頭し、あっという間に最終話まで引っ張られていってしまうだろう。
アクションあり、恋あり、青春あり、SFあり、笑いあり、エロあり、ロックあり・・・結局のところ何がなんだかわかない。わからないけど、たまらなく面白い。この作品は、この興奮は、どんなにネット調べても、人から話を聞いても、絶対的に味わえない。
自分の目で、耳で、ぜひ感じてほしい。
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