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舞台はヨーロッパ。ある国の公益法人、社会福祉公社では“国のための仕事”と称し、様々な理由で少女たちが集められた。その少女たちは「条件付け」を施され「義体」として「暗殺」などの仕事に利用されていた。少女たちにはそれぞれを管理する諜報官の男たちいて、少女たちを管理・命令し、戦わせるのであった。
社会福祉公社によって自由な身体と仕事を与えられ少女たちは公社の施設と殺しの現場を行き来するのみの毎日ではあったが、少女たちはとても幸せであった。それが与えられた幸せであっても・・・。
ストーリー大人の都合によって、勝手に体を改造され薬物で洗脳されて、戦闘(暗殺)用の人間兵器として戦わざるをえなくなった少女たち。そんな少女たちが不条理づくめの世界のなか生きていく様子と、少女たち一人につき一人ずつ存在する「担当官」との交流を描いたヒューマンドラマ。
細かい設定や専門用語についてはやや難しいので
公式サイト等で先に予習してください。
ストーリーはとにかく
悲壮感が凄まじいです。そもそも設定が
「怪我した女の子を拉致って改造して洗脳して命令して汚れ仕事をまかせちゃえ」っていうんですから、天地がひっくり返っても明るく楽しい話になるわけが無いのですが。
基本的には
1話完結です。少女たちが、この悲惨な運命の中で生きていく様、そして少女達を教育、監督する「担当官」と呼ばれる男達との心の交流が主な見どころでした。
ほとんど全部が哀しい話です。たとえラストが前向きなものであったとしても、その過程で必ず陰鬱な出来事が起こります。でも「真っ暗」ではないのがこの作品の良さ。普通に考えれば「真っ暗」であるはずの少女たちが、
必死に生きる意味を見出しながら生きていく様、
わずかに残る人間的な感情を抱きしめて生きる様、そして
普通の女の子のように笑う様からは、悲壮感とともに一かけらの希望と温もりを感じることができます。
圧倒的な理不尽の中にわずかに、でも確実に存在する「幸せ」。文章で上手く説明できませんが、銃を持ち、人を殺し、血にまみれながらも儚く生きる少女たちの姿は、何か胸に訴えるものがあります。それを様々な思い出見守る
担当官の大人(男)たちの葛藤や感情表現にも注目です。
演出とても丁寧ですね。テーマがテーマだけに、哀しいシーンや切ないシーンを上手く見せることを大事にしてます。あと注目すべきは
銃撃戦や格闘戦の描写。これが丁寧かつリアルなだけに、
涼しい顔をした少女が自動小銃を連射したり、
何の躊躇もなく標的を射殺する様子が非常に印象的で、ショッキングに見えるんです。
一つとりあげるならば、最終回のクライマックスシーン。第九が流れる中でのエンディングは鳥肌モノでした。悲壮感溢れるストーリーをさらに引き立てる演出が魅力です。
キャラクターキャラもまた哀しげな人物ばかり。メインとなるヒロインたちは非常によく練られていて、それぞれに違った人間性と考え方を持っていて個性がしっかりしています。担当官の男たちも非常に人間臭く、それぞれに違った魅力があります。外見や雰囲気的にはどのキャラも似ていますが、内面での区別がしっかりしていますね。
音楽この作品において音楽は非情に欠かせない要素になっていますが、これも大変良かったです。OP・EDはもちろんのこと、
悲壮感を演出するBGMや楽曲はどれも高いレベルでした。サウンドトラックが欲しくなります。
キャスト非常にこだわりを感じます。少女たちのキャスティングは、
経験の少ない人やデビューしたての声優さんが多く、
初々しさを感じます。それが、「義体」となって感情の薄くなった少女たちらしい雰囲気を出していて良い感じです。
対する担当官は、
地味な声ながらも実力者、経験者を多く起用してあり、重厚な演技。「冷たい大人」というイメージを感じさせるような淡々とした演技と、少女達との交流で動揺する細かい演技の演じ分けが上手かったですね。個人的には担当官らのキャスティングと演技は大いに評価したいです。実力派声優さんたちの
引き締まった演技は魅力的でした。
あどけない少女たちの演技と、担当官たちの重厚な演技の対比に注目です。
作画下手に萌え絵に走らずに、原作に近い落ち着いたキャラデザなのは好感触でした。作画の崩壊などはあまりなかったように思います。(制作会社の)マッドハウスらしく、原作のイメージを大事にしていますね。
注目は
銃火器の描写。この作品において銃火器は非情に大切なものです。銃火器がリアルに描いてあればあるほど、それを駆使して華麗に戦う少女たちの姿が悲壮感と違和感を帯びていきます。その点においてこの作品の銃器の描写はとても良かったです。
落ちていく薬莢などもCGで綺麗に描いてありました。銃火器に詳しい人が見ても納得なのではないでしょうか。
テンポ一つ一つのエピソードが秀逸なだけに、いざ始まれば引き込まれてしまうのですが、作品全体をぶっ通しての太い物語がありません。なので「先が気になる!」という気持ちが沸きづらいのが難点。
あと内容のほうも、「間」を非常に大切にしているので、かなりスローテンポです。じっくりゆっくり、腰をすえて楽しみましょう。
鬱これまでに書いたとおり、見ていて楽しくなる作品ではありません。基本的に
哀しく切ない話ばかりです。時には救いの無い展開に胸が痛くなることも。
感動・泣き悲しみの中にも、ほんの少しの優しさを感じることができます。その
バランスこそがこの作品のテーマであり魅力です。絶望の中で生きる少女たちの姿、そして担当官とのやり取りは泣けます。
マニアック度設定にストーリー、登場人物まで全てが重く、気軽に見れる作品ではないかと思います。また、人によっては「まったく救いが無いじゃないか」と思うこともあるかもしれません。繊細な心理描写や細かい感情の変化を読み取りながら、じっくり楽しむ作品なので、わりと見る人を選びます。
総評「ガンスリンガーガール」という作品の世界が完成していますね。見ていくうちに作品が持つ雰囲気に引き込まれました。
重厚な音楽と、
落ち着いたキャスティング、そして
三次元的な「間」を大切にしている丁寧な描写があってこそでしょう。
リアルに書き込まれた銃器が、それを冷静に駆使する少女たちの姿になんともいえない違和感を感じさせてます。その不快感にも似た違和感こそがこの作品の醍醐味です。直接的なメッセージ性は無くとも、少女たちと担当官がおりなす悲しい物語の数々は、間接的に何かを訴えかけてきます。
哀しき運命に生きる少女たちと、その担当官である男達の群像劇「GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガーガール)」物語を際立たせる丁寧な描写が魅力でした。
じっくりと腰をすえて鑑賞したい、そんなあなたにおススメですよ。

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