ティアーズ・トゥ・ティアラ / AQUAPLUS

『DARKER THAN BLACK 黒の契約者』レビュー
2007-12-26 Wed 00:29
深い人間ドラマが魅力のSFハードボイルド

『DARKER THAN BLACK 黒の契約者』

DARKER THAN BLACK-黒の契約者- 1 (通常版)
10年前、突如東京を襲った異変。通称「地獄門(ヘルズ・ゲート)」といわれる未知の領域が出現したその時から、この世界は本当の“空”を失い、夜空を覆う満天の星空は、偽りの星達のものとなった。また、この時から「契約者」と呼ばれる特別な能力を身につけた者達が現れはじめる。人間らしい感情や「契約対価」という代償と引き換えに人外の能力を得た存在である彼らを利用して、このゲートに関する情報を得ようと、各国の諜報機関が東京にエージェントを送り込む。

主人公・黒<ヘイ>もまた、そうした契約者の一人である。彼はある”組織”に所属しており、他の諜報機関等からは「BK-201」又は「黒の死神」と呼ばれている。そして、同じ“組織”のメンバーである銀<イン>・猫<マオ>・黄<ホァン>とともに、ゲートに関連する情報を集め、“組織”の任務を実行している。

キーワード
【SF・ハードボイルド・アクション・超能力】
総合得点=90点 評価=S 
作品チャート

ダーカー
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ストーリー
【90点】
SFハードボイルド、と言うだけあり、普段アニメを見ない大人でも楽しめる、非常練りこまれたストーリー。最初こそ専門用語の嵐で話がつかみづらいかもしれませんが、気づけば不思議なシリアスさが漂う「ダーカー」の世界に引き込まれているはず。

回をおうごとに増えていく伏線の数々に、先が読めない展開、そして深い人間ドラマと非常に見どころのある重厚な作品です。特に、人間ドラマは秀逸で、2話完結方式を上手く使い、焦らずに丁寧に見せてきます。

どのエピソードも独特の哀愁感や切なさを帯びており、感動が後を引くような綺麗な話が多いのも大きな魅力。結末こそ賛否両論ありそうですが、私は「この作品らしい」と納得してます。

演出
【90点】
幕引きが上手いというか、余韻を残すような綺麗な終わり方が秀逸でした。あと演出と呼べるかは微妙ですが、一つのエピソードを前後編の二部に分けたのは正解だったと思います。量より質、数は多くなくても、一つ一つの話がしっかりしてました。

また、キャラの描き方もかなり秀逸で、最初は嫌いだったあのキャラでも死ぬときには相当なショックを感じてしまったり、ということもありました。メインとなるキャラの絡ませ方が上手く、見ているうちに不思議な愛着というか、愛情が沸いてきます。

キャラクター
【90点】
主人公、ヘイがとてもいいキャラでした。どう見ても契約者なのに、なぜか人間臭い部分を持つ彼の微妙な心情がとてもよく描かれていたと思います。その他のキャラも個性があるし、それぞれ掘り下げられるので感情移入できますね。

サブキャラも非常に魅力的なキャラばかり。嫌いなキャラや、無駄だなと感じたキャラクターはいませんでした。

音楽
【95点】
菅野よう子さんの手がける、哀愁感漂う音楽は、この作品を語る上では外せない要素でしょう。見事にダーカーの世界観を演出してます。お見事!

キャスト
【80点】
ガンスリンガーガールのジョゼ役でおなじみの木内秀信さんが主演ですが、彼が非常に良かったですね。主人公ヘイはかなり難しい役ですが、繊細で見事な演技だったと思います。あと脇役ではノーベンバーイレブン役の井上和彦さんも、作品をぐっと引き締めてましたね。水樹奈々や福圓美里、川上とも子らヒロイン勢も健闘されてたと思います。

作画
【85点】
作画のレベルは高いです。動きは滑らかですし、アクションシーンの動きもカッコイイしカメラワークなどの演出でえらいカッコよく見えます。乱れもなく安定してますね。キャラの顔も派手すぎずベストな感じです。

テンポ
【80点】
序盤こそ専門用語の嵐に突き放されますが、徐々に慣れていきます。わりとテンポはいいので途中でダレてしまたりという心配はないでしょう。クライマックスの盛り上がりはなかなかです。

燃え
【80点】
派手に爆発したり血が出たりというのもなくはないですが、それよりも、静かな、クールな燃え要素が強いですね。ハードボイルドというか、ダーティーというか。必要最低限の動き、必用最低限の言葉でクールに締める。静かなカッコよさが好きな人は、是非。

感動/泣き
【80】
エピソードはどれをとっても完成度が高く、感動できるものばかり。直接的に涙腺を破壊するのではなく、爽やかな感動というか、「ああ、いい話だった」と綺麗な余韻を残すようなものが多め。これは本当におススメです。

総評

とにかく作品としての”雰囲気”がしっかりと出来ている作品です。全編を通して非常にクールな雰囲気ながら、展開や台詞には熱さが秘められていて、静かに盛り上がれます。
物語序盤はとにかく専門用語の嵐でぽつーんと置いていかれるかもしれませんが、徐々にわかっていきますので大丈夫。作中の緊張感や緊迫感、そして哀愁感は特筆すべきものがあり、大人でも十分楽しめるかと。

人間ドラマに泣き、張り巡らされた伏線を読み、展開に燃え、切ない雰囲気を楽しむアニメです。
ただ最終回が賛否両論あります。そこだけは注意を。

本腰を入れて、骨のある作品を楽しいみたい、そんな人におススメです。

公式サイトはこちら
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