いつかきっと会える。たとえ何光年離れていても。
『ほしのこえ』
2005/著者:佐原ミズ/全1巻完結/月刊アフタヌーン(講談社)
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2039年、人類の調査隊は火星のタルシス台地で異文明の遺跡を発見したが、突然現れた異生命体によって全滅させられてしまう。その異生命体はタルシアンと名づけられ、その脅威に対抗すべく国連宇宙軍が組織された。
2046年、中学三年生の長峰美加子は、国連宇宙軍のロボットのパイロットの選抜メンバーとなり、翌年にはタルシアンの追跡調査のため編成されたリシテア艦隊の一員として、同艦隊旗艦〔リシテア〕に乗艦、地球を発つ。ほのかな恋心を抱く友人 寺尾昇を残して。調査艦隊がタルシアンの痕跡を追って、地球から離れてゆくにつれ、ミカコとノボルの距離も光年単位で離れ、二人の携帯電話メールのやりとりにかかる時間も次第に長くなってしまう。
ついにはミカコは地球から8.7光年の距離に位置する惑星アガルタに降り立つ。そこでミカコは、地球に届くのに8年もかかるメールを ノボルに送信する。
(原作のあらすじを記載)
ほとんどの作業を、監督である新海誠氏がたった一人で行ったにも関らず、圧倒的なクオリティと美しく繊細なストーリーで話題を呼んだ短編映像作品『ほしのこえ』。この作品を、同じく美麗で繊細なタッチで人気を博す漫画家の佐原ミズさんが漫画化したのが、本作『ほしのこえ』である。
映画やアニメのコミカライズは、多くの場合失敗したりイマイチだったりすることが多い。原作(映画やアニメ)が十分人気があり、名前だけ借りて出してやれば勝手に売れてくれるのだから、そこまで気合が入っていない作品が多いことにもうなずけるが、やはり名作はそれに劣らないくらい素晴らしい漫画化を期待したいものだ。
そんな中、この『ほしのこえ』は非常に独創的で斬新な作品であるが、コミカライズとしては最高峰に良く出来ている。
宇宙と地上に引き裂かれた恋人が、次第に届くのに時間がかかるメールを通して通じ合うという切なくも美しいストーリーを、佐原ミズさんは持ち前のタッチと漫画だからこその表現を用いてとても上手に調理した。原作の持つ魅力を殺すことなく、佐原ミズ仕立ての『ほしのこえ』に仕上がっている。
原作を知らない人も知っている人も関係なく、ひとつの漫画作品として十二分に読めるレベル。これをきっかけに、原作の監督である新海誠氏の作品に興味を持つもよし、漫画家・佐原ミズ作品の入門用作品としてもお薦め。
なお、あらすじを読んでSFくさいと感じた方もおられるかと思うが、そんなことは全然無いので大丈夫。まぁ、読めば分かるだろう。新海誠と佐原ミズというゴールデンタッグによって生まれた、とっても、とっても綺麗な漫画。

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